鯨山(登山 : 大槌コース(登り)~山田コース(下り))

くじらやま

鯨にまつわる伝説から名付けられた鯨山。標高610mを侮るなかれ。

この地には昔、流行病があったとき、大槌の浜に大鯨が打ち上げられ、村人がこぞってその肉を食べたところ、大変快方に向かった。通りがかった旅人もその肉をもらい、旅先の村で、流行病の人に鯨肉を分け与えたところ治ったという。どこで求めたのか、と聞かれ、高くて目立つ山があり、その近くの浜に鯨が打ち上げられているはずと答えた。高い山は鯨山と呼ばれるようになったという。
(山と渓谷社HP 日本の山&登山ルート検索「鯨山」より)

【紹介コース】(2021.5.13撮影)
『海抜0mからの登山』ルート
 [登り]大槌コース(浪板海岸ビレッジ~山頂)  <所要時間:1時間30分~2時間>
 [下り]山田コース(山頂~陸中海岸青少年の家) <所要時間:1時間30分~2時間>

大槌コース (浪板海岸~1合目)

スタートは浪板海岸ビレッジから。国道45号線をくぐり、三鉄浪板海岸駅を通り、山道へ向かいます。途中、映画にもなった「風の電話」があります。
山道入口にロープが張られ、関係者以外立入禁止の看板がありますが、トレイル・登山の場合は通行OKです。ただし、マナーを守って歩きましょう。ルート外侵入や植物等の採取は厳禁です。
山道に入りしばらくまっすぐな土道を進むと1合目(標高61m)です。

大槌コース (2合目~3合目)

1合目を過ぎてからは道が少しずつ荒れてきます。
2合目(標高122m)を過ぎるとまず雨で土が流され、むき出しになった石がゴロゴロした道を登り、視界が開けるとタイムスリップしたようにシダが生い茂る広場に出ます。
そこを登っていくと3合目(標高183m)です。

大槌コース (4合目~5合目)

3合目(標高183m)そして4合目(標高244m)は木々の間の獣道を広くしたような山道を進んでいきます。
鯨山登山の醍醐味の一つ、四季の姿を見、感じながらの登山です。
写真は5月中旬。この時期は山つつじがきれいに咲いていました。そんなツツジを見ながら進むと5合目(標高305m)の中間地点にたどり着きます。

大槌コース (6合目付近)

5合目を過ぎるとすぐに電波塔管理の舗装道路に出ます。ここで一時休憩するといいでしょう。
標高300mくらいと侮るなかれ、道中はほぼ直線的に坂道を登っていくため、アキレス腱とふくらはぎがパンパンになります。
小休止後は舗装道路から山道の分岐点に入っていきます。鯨山はみちのく潮風トレイルのコースにもなっており、道々にトレイルのテープがついているので迷うことはありません。

大槌コース (7合目~9合目)

分岐点からは勾配も徐々にきつくなり、また、倒木などが道に横たわっている個所も多いので、気を付けて登っていきます。
6合目(写真なし)、7合目(427m)、8合目(488m)、9合目(549m)と黙々と登っていきます。
ただ、5合目までと比べ、勾配がきつくなった分歩行距離は少なくなるので、大変な割には時間がかからず登れる印象です。
9合目を過ぎて小さな小屋が見えればもうじき山頂です。

大槌コース (山頂・鯨山神社奥宮)

無事山頂に到着。山頂には鯨山神社の奥宮があるので、登頂報告を兼ねお参りしましょう。
浪板ビレッジから山頂までは、途中に何回かの休憩を入れながら登っても2時間ほどで登ることができます。
天気が良ければ船越を眼下にリアス式の三陸海岸を見る事ができます。午前中から登って、絶景を見ながらのランチをする人も多いようです。二等三角点標識があるのもわかります。

山田コース (頂上~下山1)

休憩後、下山は山田コースへ。
山頂からいきなりハードな下山が始まります。
鎖やロープ伝って、足元に気を付けながら慎重に下っていきます。
登りではふくらはぎやアキレス腱がやられましたが、下りは何といっても膝への負担がかかります。痛めてからでは遅いので、休憩しながら下山しましょう。

山田コース (下山1~陸中海岸青少年の家)

鎖の岩場、急勾配の山道を下山して30分ほどで十文字分岐(みちのく潮風トレイル標識:大沢川コースとの分岐点)に到着します。
ここからは林間尾根コースで陸中海岸青少年の家登山口まで、尾根伝いに上り下りしながら進んでいきます。
十文字分岐点から約1時間ほどで陸中海岸青少年の家登山口に到着します。山頂から1時間30分ほど。

◎全体所要時間:4~5時間(休憩含む)

標高610mを侮るなかれ。登山準備はしっかりしていきましょう。

鯨山は標高610mとそれほど高くはない山ですが、勾配がきつく、道も荒れている個所もあるため、登山靴、最低でもトレッキングシューズは用意しておいた方がいいでしょう。
また、天候も変わりやすいので、季節に合わせた服装にプラス、悪天候の際の準備も必要です。
そのほか、クマよけの鈴やスプレー、ドリンク、食べ物(主食のほか軽食も)なども常備し、万一の場合に備えましょう。
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★重要★
「登山初心者は、必ず経験者に同行してもらいましょう。」

所在地 [山頂]〒028-1371 岩手県下閉伊郡山田町吉里々々 第13地割(GoogleMapより)
お問い合わせ 0913-42-5121 大槌町観光交流協会
ご注意 登山エリア近隣ではクマの目撃情報も多いため、2人以上で登山しましょう。登山時には、熊鈴やクマよけスプレーなどを携帯しましょう。また、山頂付近は天候が急変するため、万一の場合に備え、防寒具や応急処置道具、予備の飲料、食料も用意しておきましょう。
情報更新日 2021.9.13 ※掲載内容は、状況によって更新されます。