三陸御社地天満宮

さんりくおしゃちてんまんぐう

三陸海岸の天神さま。太宰府天満宮から分霊を授かった直系の天満宮。

 昔から、大槌町の賑わいの中心だった御社地(おしゃち)は、明和7年(1770年)菊池祖睛(きくちそせい)が開いたと言われています。偉いお坊さんで、学者でもあった祖睛は、菅原道真を心から尊敬しており、太宰府より分霊した天満宮を大槌に持ち帰って「東梅社(とうばいしゃ)」を建立し、祀りました。神仏の道を説き、町民に学問を教え、詩人歌人を招き歌会を開いたりと、御社地は大槌町の文化発祥の地とされています。
 また、町民の憩いの場でもあった御社地はお祭りや相撲大会、紙芝居、牛や馬のせり市も行われていました。学問の神様と言われる天満宮には合格祈願に来る学生も多かったそうです。
 東日本大震災の津波によって、天満宮ごと流失してしまいましたが、震災後、住民を中心とした「奉賛会」が寄附を集め再建されました。2022年11月20日、太宰府天満宮よりあらためて分霊いただき、東北唯一の太宰府天満宮直系の天満宮となりました。

菊池祖睛(きくちそせい)

仏教家(1724年生~1806年没)
江戸時代頃の中頃に全国を修行行脚し、郷民強化のために一生を捧げました。
明和元年(1764)、当地を購入し、池や築山、そして自らの庵「柳下窓」を建て、仏道精進の霊場として「東梅社」を開いた。
その敷地内に太宰府の天神社の分霊を祀る天満宮を建立しました。

太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)

福岡県太宰府市にある神社。903年にこの地で没した菅原道真の廟社が起源で、京都の北野天満宮と並び全国の天満宮の総本宮。学問、厄除けの神として知られている。
本殿などは国の重要文化財に指定され、境内に飛梅や国天然記念物の樟などがある。1月に行われる鷽替(うそかい)の神事が有名。
新しく建立した天満宮には分霊が安置されている。

不動明王三尊像(ふどうみょうおうさんそんぞう)

元は大槌町沢山地区の不動尊に安置されていた像。江戸時代に制作された木造で、その作者は江戸人形町の仏師・安岡良運である可能性が指摘されている。
東日本大震災による津波で不動尊も海水を浴び、三尊像も損傷した。クラウドファンディングにより現在修復中だが、不動尊のお堂自体も古く津波により損傷しているため、一時天満宮に安置されることになっている。 (2022年夏予定)

太宰府天満宮の梅(だざいふてんまんぐうのうめ)

国天然記念物の「飛梅」のある太宰府天満宮より苗木を譲り受けて植樹された。合格祈願に訪れた学生参拝者の合格結果が発表される3月には紅白の花を開花させ、「サクラサク」ならぬ「ウメノハナサク」で合格を祝う。

◎令和3年11月20日
 太宰府天満宮の梅 左『天神梅』右『太宰大貮』

飛梅(案内板)

(上記よりつづく)
門外不出とされている梅の木を太宰府天満宮からの「飛梅」として、特別の計らいで拝受することになり、令和3年11月20日三陸御社地天満宮のお社の竣工祭に御参列された西高辻信良最高顧問が直接植樹されました。
神社に向かって右に白梅、左に紅梅が植えられています。
 
菅原道真公は京都を離れるとき次の歌を詠まれています。
「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」

津波記念碑(つなみきねんひ)[明治42年建立]

~明治の大津波の被害の様子、住民の悲痛な声が記されている
「明治二九年六月一五日の夜、来襲した大津波は、大槌町民六〇〇人以上をたちまち海底に奪い去り、人家五六〇戸余りもともに海の藻くずと化した。現場のそのありさまは目も背けたくなるほどで、例えて表すことさえもできない、ああ。」
 
<建立当時の倉田町長句>
『一声は千々の谺(こだま)や吐血鳥(ほととぎす)』
 声がかれるまで避難を何度も叫び続けたことを伝える

昭和八年三月三日 大津波記念碑(おおつなみきねんひ)

 地震ノ時 午前二時三十分
 津波襲来 午前三時
 津浪ノ髙 十五尺(454.5cm *1尺30.3cm換算)
 
一 地震があったら津浪の用心せよ
一 津波が來たら髙い所へ逃げよ
一 危険地帯に住居するな
 
[被害状況]
 流出倒潰戸数 大槌町 六百二十二戸
 溺死者数   同 上 六十一人
 耕地浸水       六十七町歩余
 其他漁船漁具農具家具多数流失  

社務所兼おみやげ処

天満宮横、道を挟んだ所に社務所とおみやげ処が一緒になった建物があります。
こちらでは、各種お守りやお札、御朱印を授与できるほか、おみやげや名物天神だんごなどのスイーツを食べる事ができます。

御社地天満宮絵馬、お守り

~初穂料~
・願い絵馬セット 1000円
・念願御守 300円
・交通安全守 800円
・合格守 800円
・こども守 700円
・学業成就守 800円 
・御守(家内安全・身体健康) 800円
・輝きミニお守 800円
(勝守・幸守・金運守・美し守・恋守・夢叶守)
・お札 800円
・鶯鳥おみくじ 700円
・幸先矢(白・色付き) 1,300円

天満宮に来たら新名物「天神だんご」を食べるもよし!

天満宮でお参りし、お守りを授受したら、店内横のおみやげ処で、新名物の「天神だんご(360円税込)」を食べるもよし!
味は三種類。みたらし、ごま、こしあん。あんこはマツコの知らない世界でも紹介された「キノアン」のあんこを使用しています。
それぞれの味を楽しみたい方には、「ミックス(360円税込)」も用意されています。

所在地 岩手県上閉伊郡大槌町末広町1-19
アクセス 大槌駅から徒歩6~8分(約500m) ※おしゃっち(大槌町文化交流センター)駐車場横
駐車場 おしゃっち駐車場利用
お問い合わせ 0193-55-5221 (NPO法人まちづくり・ぐるっとおおつち : 岩手県上閉伊郡大槌町小鎚第27地割41番地4)
例祭日
創建時代 江戸時代中期 ※2021年再建(10/30鎮座祭、11/20竣工祭)
参拝時間等 9:00~17:00 ※季節や状況により時間が変わることがあります。
情報更新日 2023.4.3 ※掲載内容は、状況によって更新されます。