蓬莱島(ひょうたん島)[町指定名勝]

ほうらいじま

地元民から観光客にまで「ひょうたん島」として親しまれている島

大槌町の大槌湾内に浮かぶ島。『ひょうたん島』で親しまれています。周囲約200mの小島で、大小2つの丘が連なったひょうたん形をしているのが特徴です。
江戸時代には「珊瑚島」と呼ばれていましたが、盛岡藩主である南部利視(なんぶとしみ)公が元文3年(1738年)の巡検の際に命じて「蓬莱島」と呼ばれるようになりました。
島には弁天神社があり弁才天像が祀られ、古くから豊漁と航行安全の守り神として敬われてきました。昭和28年(1953年)には灯台も設置され、付近を航行する船にとって欠かせない存在となりました。東日本大震災津波により灯台が破壊されましたが、弁才天像を祀るお堂は流失を免れました。灯台は再建され、島は復興のシンボルとして、平成25年(2013年)8月に大槌町指定文化財(名勝)に指定されました。
島は、陸地と防波堤(昭和22年(1947年)建設、長さ約340m)繋がっています。現在の防波堤は、東日本大震災津波後に再建されたものです。

灯台(とうだい)

島の小さな丘に建つ高さ7.4mの大槌港灯台は、東日本大震災で根元から倒壊。その後、再建されました。
再建した灯台は、釜石海上保安部と大槌町が協力し、大槌町在住者からデザインを募集、応募のあった266作品から選ばれたデザインです。
灯火部分は水平線から登る太陽を表し、大槌の未来を明るくしたいという願いが、本体は砂時計をイメージし、時が経てば必ず復興できるいう強い意志を表現しています。
高さは再建前より4m高い11.47mとされています。

弁天神社(べんてんじんじゃ)

弁天神社は弁才天像が祀られて、漁民の守り神とされてきました。
弁才天像は高さ約50cmで8本の腕を持つ八臂(やっぴ)の像で、言い伝えでは近くの浜に流れ着いたものを祀ったとも言われています。東日本大震災では流出は免れたものの、顔が傷つき、衣服が破れたたため、同じく震災のため倒壊した神社の鳥居とともに、修復、再建されました。

オットセイの供養塔(おっとせいのくようとう)

赤浜にはオットセイの国際調査基地(1951年(S26))があり、突棒船(調査船)で日米加合同で調査を行っていました。調査捕獲したオットセイの供養塔(1952年(S27))が蓬莱島に建立されました。供養塔の球体の塔頭は東日本大震災津波により流出しています。塔の壁面には調査参加船名が刻まれています。
(参加船)大槌港:第七鯨山丸、第五日興丸、幸喜丸
     宮城県女川港:第五盛福丸
     唐桑港:日之出丸
     織笠港:第三琴平丸

はまぎく

東日本大津波では島全体が海に浸かった蓬莱島ですが、現在も緑が生い茂り、9月下旬から10月下旬にかけてハマギクが可憐に咲き誇ります。
 
■はまぎく■ 日本原産の花。関東以北の太平洋沿岸に自生するキク科ハマギク属の多年草で、学名はNipponanthemum nipponicum(ニッポナムテムム・ニッポニクム)日本の花の日本と言います。

大槌湾口(おおつちわんこう)

大槌湾は、その形状から、陸地から湾口(入口)をほとんど見ることができません。蓬莱島まで伸びる防波堤の先端(蓬莱島へ上陸するところ)から東の方角を見ると、七戻崎と御箱崎との間に少しだけ湾口を見ることができます。

三陸ジオパーク(さんりくじおぱーく)

蓬莱島は三陸ジオパーク「蓬莱島ジオサイト」として登録されています。
蓬莱島の白い岩石は、約1億2,000万年前に冷えて固まったマグマからなる花崗岩です。大槌湾の入口付近はおおよそこの花崗岩が分布しています。
一方、蓬莱島から西の湾岸一帯は、付加体というおよそ2億数千万年前に海底に堆積し、その後プレート運動にともない大陸側にこすりつけられた岩からできています。

(案内板:大槌町赤浜1丁目 及順商店前道路角地)

★堤防を挟んだ左右の海が・・・

蓬莱島へ北から南へ340m伸びる堤防。埠頭から堤防を眺めてみると、左右の海が違って見えることがあります。
堤防を挟んで右側は凪状態なのに、左側は海面がうねっています。
長い堤防が見せるこの風景は、天候によって見えたり見えなかったり。きれいに見ることができたらラッキーかもしれません。

ひょうたん島は「愛の島」でもある???

私たちが普段眺める蓬莱島は「ひょうたん」のような地形ですが、鳥になって空から見るとどんな形でしょう?

「蓬莱島」は上空から見ると「ハート♡」の形なんです。

「蓬莱島」は長い船旅や漁に出る漁師が豊漁を祈って祀る弁天様のある島ですが、実は船旅の安全を祈りをささげる島でもあります。そう、「愛の島」でもあるのです。

だから、島自体が「ハート♡」の形をしてるのかも。。。

所在地 岩手県上閉伊郡大槌町赤浜2丁目
アクセス 大槌町駅より車で7分。三陸道大槌ICから車で7分。
駐車場 赤浜漁港に複数台可能。
お問い合わせ 0193-42-5121 (大槌町観光交流協会)
管理者 0193-42-2300 (大槌町生涯学習課)
参考文献 写真集「赤浜の礒」(加藤昭道)[H17.8.1発行]
注意事項 堤防は連絡や観光用の橋ではないため、手すり等付いておりません。 堤防への立ち入り、島への上陸は個人の責任となります。 転倒、海への落下にご注意ください。高波・強風等の天候不良時や、満潮時は堤防や島に近づかないでください。(満潮時は道が寸断することがあります) なお、堤防での釣りは禁止です。
情報更新日 2024.3.6 ※掲載内容は、状況によって更新されます。