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stay report

手作りのつるし雛が空間を色鮮やかに彩る、和モダンな魅力あふれる宿~三陸の宿 蔵~

  

みなさん、こんにちは!カタヤマです。
近頃は日が長くなり、大槌町でも暖かいと感じる日が増えてきました。春が近いことを感じます。

2021年春から大槌町にIターン移住し、今後ブログやSNSを通して、外から来た人の視点で新鮮に感じたことなど、地域の魅力をご紹介していきます!

大槌町内の各宿の基本情報についてはこちらからご覧いただけます↓

https://otsuchi-ta.com/stay

三陸の宿 蔵のおすすめポイント

1、色とりどりの装飾
ご主人のお母様手作りの手毬やつるし雛が、宿のあちこちを色鮮やかに彩る、和モダンな魅力溢れるお宿です。

2、海の味覚と、鉄道の眺望
地元の旬の海産物を使用した食事も自慢。三陸鉄道の線路に面しており、列車と海の風景が楽しめるお部屋もあります。

3、ビジネス利用から宴会利用まで幅広く対応
長期滞在の方も歓迎し、多様なニーズに対応する宿です。

三陸の宿 蔵に宿泊してみた!

さて、今回もいつものスタイルでチェックインからチェックアウトまで筆者が体験したままにお伝えして行こうと思います。
記事の最後に、お母様手作りの装飾品をご紹介します!ぜひ最後まで目を通していただければ嬉しいです。 

<1日目>

 ▶︎15:50 お宿までのルート

国道45号線沿いを車で走っていると途中に「三陸の宿 蔵」という建物が見えます。
ですが、見えた場所からすぐ到着できるのではなく、宿まで辿り着くには、ぐるっと回るルートを通ります。

少しわかりづらいかもしれないので、今回はお宿までのルートからご紹介します。

お宿までのルートMAP

三陸の宿 蔵さんの建物を確認したあと、もう少し先へ進んだ先に左折できる道があります。
(私は「もしもしピット」の標識の手前を左へ曲がる、と記憶しています)

「つるがさわ団地」という標識がある方向へ左折。

住宅街をすり抜けて、突き当たり右手にお宿があります。
(電車で来られる場合も同様の道を通ります。最寄りの吉里吉里駅から徒歩10分の距離です。)

宿名と看板の雰囲気がマッチしていて素敵です。

入り口横には自動販売機がありました。飲み物を買い忘れても困らなさそうです。

ちなみに国道45号線沿いからは、階段で直接アクセスできるようにはなっています(車でお越しの方も、電車でお越しの方も使うことはあまりないかもしれませんが…)

 ▶︎16:00 チェックイン

中に入ると手作りの装飾がとても素敵でした!

全てご主人のお母様手作りだそうです。素敵な装飾に圧倒されます。

食堂で必要書類を書き、チェックイン手続きを終えたら、ご主人にお部屋を案内いただきました。

▶︎16:30 お部屋へ

2階にあるお部屋へ移動しました。

お部屋ごとにお名前がついているようです。

一人での宿泊でしたがツインルームに案内されました。
お部屋タイプは2種類で、ツイン3室、和室2室の5部屋あるそうです。

ベッドルームの手前には、水回り空間もあります。

左手の扉の先がトイレでした。清潔感があります。

洗面台がお部屋にあるのは、かなり有り難いポイント…。

壁収納には湯沸かしポットとお茶セットもありました。
好きなタイミングで熱々のお茶を飲むこともできます。

お部屋はテーマカラーが緑色のようで、壁紙や座布団など、各所に取り入れられています。優しく穏やかな印象を受けます。

あまり見かけないようなデザインの椅子でした。座面は回転式です。

お部屋にはすでに暖房がついていました。
電気は調光式のものだったので、寝る前の暗さ調整もお好みでできます。
(常夜灯ありで寝る派の私には嬉しいポイントです)

ご主人にお部屋案内された際、「夕食は18時ごろ準備ができたらお部屋の電話を鳴らしますね〜」と言われました。

「お?電話でお知らせを受けるスタイルなんだ?」と、今までにないシステムだな〜と思いながら、まだ時間があるのでお風呂をいただくことにします。

▶︎16:42 三陸鉄道 激写

お風呂の準備をしようと思っていたタイミングで、三陸鉄道が通りました!!
この写真を一度は撮影してみたいと思っていたので、チェックインしてから1時間以内にこんなチャンスが来るとは!と嬉しくなりました。

撮影したのは、お部屋の窓からです。
2階のお部屋になるので、見晴らしもよく、三陸鉄道と海の両方を堪能できます。

この日は晴天というほどではありませんでしたが、とても綺麗な景色に魅了されました。

▶︎17:00 お風呂前に館内散策

浴衣やタオルなどのアメニティは、全てお部屋に準備がありました。

羽織も緑でした…! 男女問わず着られる色味です。

浴衣も羽織も生地が柔らかく、程よくパリッとしていて着心地がよかったです。
(寒がりなので、下に長袖のインナーは着用しました)

女子旅で泊まりにきて、写真を撮っても可愛くて良さそうだなと私は感じました。
白い袋の中に、新品の小タオルと使い捨て歯ブラシが入っていました。

お風呂の準備ができたところで、風呂場に向かいつつ、建物内を紹介します。
まずは2階からですが、こちらは洗濯室です。

お客様共有冷蔵庫」と奥には洗濯機が2台

電子レンジと下には食器類もありました。

長期滞在の方が使いやすいよう工夫されているのがわかります。

1階と2階の両方に喫煙室があります。
分煙されていることでお部屋で煙草の匂いが気になりませんでした。
喫煙者の方にとってもわざわざ外に出る必要もなくなるので、喫煙室があるのは双方にとっていいポイントですね。

階段にもいくつかの装飾がありました。
装飾によりとても色鮮やかな空間になっています。

1階の廊下の先にお風呂場があります。

お風呂場の前には洗面台が3つと、お手洗いが男女別で一つずつ。

グループでの宿泊でも十分な設備が整っています。

脱衣所は鍵がなく、札で「空室と使用中」を切り替えるスタイルでした。

脱衣所の様子です。写真ではわかりづらいですが、一度に複数名入ることができる広さがありました。

床面が多少寒かったなと感じましたが、その対策として、電気ストーブが置かれていて、入った時には電源がついていました。

丁寧な心配りが嬉しいです。

浴室には、シャワーが2つあります。

湯加減はちょうどよかったです。熱すぎずぬるすぎず。

湯船も2人同時に入ることができる広さで、立つと膝上まで浸かるほどの深さがありました。
お宿は築6年ほどということもあり、設備が整っていて綺麗です。

お風呂上がりには浴衣を着ました。羽織は袖なしタイプのものでした。個人的にはこれはこれで身動きが取りやすくていいなと思いました。

お部屋でくつろいでいると、お部屋の電話が鳴りました。
「ご飯の用意ができましたのでどうぞ〜。階段降りて左手です〜。」と、女性の方の声がしました。

▶︎18:00 夕食

1階に降りて、チェックイン時に書類を書いたお部屋が食堂でした。

玄関口だけでなく、食堂にもさまざまな装飾がありました。

後でゆっくり見てみることにします。(※記事最後のチェックアウト前あたりでご紹介します)

お食事が御膳の上に溢れるように配置されています。
牡蠣と焼き魚、お刺身、カニ、メカブなど、三陸の海の幸が盛りだくさんです。

お食事の次に色とりどりの「お皿」に目がいきました。きっとお皿好きな方なのだろうなと伝わってきます。

「白米はすぐ食べますか?」と聞かれ、盛っていただきました。(後からわかりましたが、この女性の方は、ご主人のお母様でした)

食べている間は奥のキッチンにいらっしゃいました。

牡蠣はちょうど旬の時期のようで身が大きかったです。

毛蟹も出てきました。(カニ好きな方はぜひ旬の時期を狙って宿泊してみるといいと思います!)

いつもカニを食べるのに苦戦する私ですが、今回は専用?のハサミがありました。カーブがあるので、手の力があまりなくても、カニの足の部分を切るときにとても使いやすかったです。

ちなみに食事中の飲み物(アルコール含む)は種類豊富に用意されているようでした!
感染症が流行してしまい今は機会が減ってしまったそうですが、宴会場としての利用も対応されているそうです。

ご飯は炊き立てのふわふわの白米でした。炊飯器が食堂内にあるので、自由にお代わりをして良いそうです。

デザートにはいちごをいただき、満腹になりました。

▶︎19:30 お部屋でお仕事

食後はお部屋でのんびり過ごしつつ、このブログ執筆を書き進めることにしました。

wifiパスワードはチェックイン時に「これだよ〜」と壁に貼ってあるシールに書いてある情報を予め撮影していたので、すぐにアクセスすることができました。

パソコン作業でも問題なくネットに繋がる環境でした◎

ちなみに、机は引き出しが分厚く、座ると足が入らないタイプ。少し椅子を引いて座ると、私は問題なく仕事ができました。

▶︎21:00 就寝前

一通りやりたいことを済ませ、身支度をして寝ることにします。

個人的には、デスクにあったランプが一押しでした…!少し暗めかもしれませんが、光の刺激が少ないので寝る前に部屋の電気を消してランプの光だけにするのも素敵かもしれません。

<2日目>

▶︎6:00 起床

3月初旬の時期は山側から朝日が昇ります。三陸鉄道は朝は1時間に2本走っているようです。
(google mapで「吉里吉里駅」を検索すると、時刻が出てきます)

6:13 吉里吉里駅発(釜石方面)↓

6:26 吉里吉里駅発(久慈方面)↓

王道の赤と青のラインの三陸鉄道のデザインが個人的には好きだなと思いました!

後ろの茶色いレ列車に一度乗ったことがありますが、とてもレトロなデザインで素敵でした。
レトロ列車に乗車した時の写真です↓

列車の本数が少ないですが、車窓の風景や列車内も素敵で、ゆっくりと旅を楽しみたい方は、ぜひ三陸鉄道を利用してみるのも良さそうです!

愛称は「さんりくしおさい」だそうです。詳しく知りたい方はこちらから↓

https://www.sanrikutetsudou.com/?p=993

▶︎6:45 散策

朝一の列車の撮影ができたところで、特に目的地もありませんが、散策をします。

冬の日の朝は寒いですが、同時に清々しい風が吹いて気持ちいいです。夏もきっと海風が心地良いんだろうなと想像します。

国道沿いを歩いて、海に向かって歩き進みます。

途中には「吉里吉里一丁目」のバス停がありました。2時間に1本と少ないですが、浪板海岸の近くまでバス移動ができるようです。

電車で来られる方は予めバスの時刻などをリサーチしておくと良さそうなので、参考までに時刻表も残しておきます。

さらに歩き進めると、コンビニがありました。

なんとここでは、釣り餌を自動販売機で売っているようです!物珍しさで思わず写真を撮りました。釣りをされる方はぜひご活用ください。

朝イチで手が冷えるので、手袋は必須です。美味しいコーヒーを手に入れたところで、お宿へ引き返すことにします。
(もう少し先が吉里吉里海岸です。堤防があるので、海の目の前まで行くには少し距離があります)

散策ルートMAP

7:10 吉里吉里駅発(釜石方面)↑

帰り道の途中で三陸鉄道が走りました。直近でみることができました…!
夏の時期はきっと青々とした中をこの列車が走っているのかと思うと、その瞬間も見たくなります。

赤、青と、自然の緑のコントラストはきっと綺麗でしょう!

周辺の散策を終え、お部屋に戻ります。ちょうど朝食の時間になりました。

▶︎7:30 朝食

朝ご飯も同じ食堂でいただきます。

焼き鮭は脂がたっぷりのっていて美味しかったです。汁物はアサリ汁でした。
私にとってはちょうど食べ切れるくらいの量でした。

テーブルの端には新聞が置いてありました。お客さんが読みたかったら読んでいいそうです。食堂にあるテレビがかなり大きいもので、存在感がありました。

お代わり自由とのことだったので、白米だけ追加でお代わりしました。
白米がとにかく美味しかったです。炊き立てだったのもありますが、あまりの美味しさに思わず「白米は炊き方を工夫されているんですか?」と聞いてみました。

するとお母さんが、「うちは玄米を買ってるからな〜。お米担当はこの人(息子さん)だから、この人に聞いて〜」と。

その場にいらした、ご主人によると、ご主人が機械で玄米を精米し、それをお客さんに提供するようにしているそうです。「なぜ精米にこだわるのですか?」と聞いてみると、
「お米は精米したてが美味しいから!」とシンプルな返答がありました。

普段、精米したてのお米を食べる機会が無かったカタヤマには、精米したてがこんなにも美味しいのかと感動しました。

食後にコーヒーも頂き、朝の一時を満喫しました。

▶︎9:00 お飾りの紹介

チェックアウト前に、せっかくなので、館内のお部屋やご主人のお母さま手作りの装飾品を見せて頂く事にしました。

お食事スペースは希望があれば、こちらの小上がりにすることもできるそうです。お庭が見える空間になっているようです。

日本の伝統的な手芸の一つ、「推し絵」というそうです。これは1〜12月が表現されています。

今年の干支の「寅」の掛け軸です。

こちらは「木目込み」というそうです。
“桐塑または木で作られた人形に、衣服の皺や模様の形に本体に筋彫りを入れ、筋彫りに目打ちなどで布の端を押し込んで衣装を着ているように仕立てた人形”という説明がwikipediaに記載がありました。

お食事で使われていた食器以外にも展示されている器がありました。この緑色のものは織部焼きでした。
細かいところまで気を配ることができる感性がとても素敵です。

エントランスには、3月はお雛様が飾ってありました。
四季に合わせて変えるそうなので、次訪れた時にどんな飾りになっているのかまた楽しみができます。

飾りによってとても華やかな雰囲気を楽しめます。

囲炉裏の空間もありました。↑

和室の大部屋もありました。こちらがお話しされていた、宴会場としても利用されている場所のようです。
合宿利用の際にも活躍しそうなお部屋です。

このお部屋にも飾りがまだまだありました…!

七福神さんがいらしたり、

こちらにも、1〜12月の1年間を表現している作品があったり。

見応えたっぷりでした。ぜひ気になる方はお母様に声をかけて、近寄って見ていっていただきたいです。芸の細かさに圧倒されます

お母さんは踊りのお稽古もされるようで、お着物と大きな鏡もありました。
伝統や芸術的なものがお好きな方のようです。

▶︎9:30 チェックアウト

たっぷり装飾品もご紹介いただいたところで、身支度をして、出発します。

最後の精算を行います。現金以外の決済方法が下記の通りあります↓
( スマホ決済サービスPayPay・auPAY / 交通系IC / クレジットカード(VISA・JCB・マスターカード・アメリカン・エクスプレス)

大槌町内で、クレジットカード利用できるお宿は多くないので、お宿選びの際の参考にしてみてください。

最後には、お母さんが玄関口の外まで出て、「どうぞ、お気をつけて〜」と、お見送りしてくださいました。温かい気持ちになったところで、お宿を後にしました。

今のお宿に至るまでの背景

約45年前に「民宿北田」として営業を開始されたのが始まりだそうです。今は親子で運営されており、ご主人は3代目になります。

当時は宿泊できる場所がなく、造船所で働く人が泊まれる場所を提供しようということで、始めたのが「民宿北田」だったそうです。

お宿は、東日本大震災をきっかけに、また気持ちを新たに宿を再開しようと、「三陸の宿 蔵」に宿名を変更して、2016年に今の場所で営業を再開されました。

ご主人は多くは語らない方のようですが、お話を聞いてみると、笑顔で白米のこだわりを語ってくださるようなお方です。

お母様も私のペースに合わせて対応してくださるような優しい方でした。

お二人とも恥ずかしいからいいとお写真は断られてしまいましたが、ぜひ大槌のお宿に泊まられる際には、お宿の「人」にも出会っていただけたらなと私は思います。

きっと旅がより記憶に残るものになるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は、お宿シリーズ最終回です。

最後を飾るのは、「小川旅館」さんです。

ぜひ次回もお楽しみに♪

「三陸の宿 蔵」さんの情報はこちらから↓